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Vol.08 神様は乗り越えられる試練しかあたえない。 No.19 福井 亜由美

今回は困難があっても幾度となく立ち上がり、DFリーダーとしてチームに必要不可欠な存在である【福井亜由美選手】です。学生時代からの度重なる怪我にもめげず、再びコートに舞い戻るその強靭なメンタルの秘密に迫ります!
このインタビューが、全国のスポーツをしている方々や最近怪我をしてしまった方々、またリハビリ中のスポーツ選手達に対して少しでも励みになれば幸いです。

福井選手、こんにちは!本日はよろしくお願いします。
先ずは生い立ちを教えてください。

佐賀県生まれの田舎育ちです。小学校4年生の時、友達に誘われてハンドボールを始めました。その頃はいろいろな習い事に興味を持ちましたが飽きっぽい性格だったので、打ち込めるものがない中、唯一楽しい!もっとうまくなりたい!と思ったのがハンドボールでした。
中学と高校は地元の学校に通学し、大学は東京女子体育大学に進学しました。

福井選手

大学2・3年生の時に大きな怪我を繰り返してしまったこともあり、「卒業後はハンドボールをやらない。」そう決めて就職活動をしていました。
そんな私がなぜ今オムロンにいるのかというと、同期である石井選手の一言があったからです。
一人暮らしをしていた私の家でごはんを食べていた時、「オムロンで一緒にやろう」と言われました。最初は「もうやらないと決めたから」と断っていましたが、もう一度やれるチャンスがあるのなら…と気持ちが動き始め、反対していた両親を説得し、ハンドボールを続けることを決断しました。
「わかった。やってみる。」私がそう言った後に手を差し伸べて握手してくれたあの時の事は今でも忘れません。
こんな私と一緒にやりたいと思ってくれた、石井選手には本当に感謝しています。

福井選手

仲間の支えがあり、現在も活躍しているのですね!
生い立ちにもありましたが、具体的にはどのような怪我をされたのですか?
また、その時はどのような思いでしたか?

高校生の時に右膝の前十字靭帯断裂、大学生の時に左膝の前十字靭帯を2度断裂しました。その影響で、オムロンに入ってからも何度か故障が続きました。
長いリハビリ生活では、もう何もやりたくないと何度も何度も思いながら過ごしてきましたが、もう一度コートに戻りたいと思った理由は、どんな時でも支えてくれた両親への感謝の気持ちをプレーする姿で恩返ししたかったからです。コートに戻りたいという気持ちとコートに戻らなければいけない、このまま終わってはいけない…そんな思いが強く、何よりも原動力になっていました。

福井選手

そうなんですね。どんな時も支えてくれた両親には感謝ですね。
怪我をしてから、再びコートに戻るまでの長いリハビリ期間の中で、苦労や励みになったことを教えてください。

一番の苦労は同じ怪我を繰り返してしまったことです。なんで私だけ…と辛くて毎日泣いていました。リハビリも順調にいくときもあれば、痛みが出てリハビリの進行に遅れが出ることもあり、焦りや不安が常にありました。そんな中、いつも私の周りには、一人じゃないと思わせてくれる家族や仲間がいました。その存在はとても大きく、リハビリの励みになりました。
周りの支えがなかったら、今、私はここにいないと思います。

ありがとうございます。精神的にまいっている時に支えてくれる、福井選手の周りの方々は素敵ですね。また、福井選手の人間性もあり、支えたくなる存在だという事ですね。
では今、怪我をしていたり、リハビリをしていたりするスポーツを愛する子供達へメッセージをお願いします!

私は、長いリハビリ生活を【自分の力を蓄える充電期間】だと思うようにしてきました。自分がコートに戻った時にどうありたいかを想像しながらリハビリすると、より頑張れます。
でも無理は禁物です。ほんの小さなことでもできるようになったら、自分を褒めまくってください。毎日頑張っている自分を褒めること、リハビリが嫌になってやりたくない日は素直に休むこと。そのメリハリが大事だと思います。
神様は乗り越えられる試練しかあたえない。焦らず、自分のペースで!
共に頑張りましょう!!

福井選手

それでは最後に日本リーグへの意気込みをお願いします!!

今シーズンこそ女王奪還。この一言しかありません。
昨シーズンの悔しさを胸に、勝ちにいきます。